最近では三脚などそれ程動きのない場合でもカメラからベース送りの(いわゆる)本線がワイヤレスのチームも増えてきた様に思います。そして同様の環境で録音部もカメラに有線で送るのに少し難色を示す方達も増えた様に個人的には感じています。その時は ベースに音をもらい、ベースで画音を合わせて現場に送るのでオフライン素材を書き出すときは何かしらカメラデータとは別の音素材を貼り付けて書き出すことになります。
そんな時、こちらの書き出し作業のタイミングで音素材の受け渡しをお願いしても対応してもらえない場合も多々あり作業が止まって困る事が多いんですが皆さんどうされてますか?可能な限りはオフライン素材に使える音のカメラ送りを望むのは間違いなんでしょうか…?
# DIT
タキです。
「撮影現場のモニタリング環境の整備はDITの仕事」という観点からいうと、どれもDITの範疇といえるとおもいます。
その上で、
△カメラにケーブルが刺さらない方がカメラの機動性が高い
△カメラに音を送らない方が録音部の機動性が高い
▼カメラに音を送らないとライブのSDIに音が乗らない(リモートや現場オフライン)
▼カメラ本線の飛ばしがNGだった場合にカメラプレイバックに音が入っていない
▼変換時に音を貼り替える手間が発生する
▼上記や音のワイヤレス伝送に余計な機材が必要になる
というメリットとデメリットのバランスを、誰目線でとるのか、ということになると思います。
これはタキの意見ですが、僕のように従来のVE業務からの流れを汲んだDIT の位置付けはどうしても”撮影部のサポート”というポジションになりがちですが、これだけDITの仕事(とくに日本のDITのスタイル)が多岐にわたってしまうと、いろんな部分へのバランスをDITの都合で取ることも致し方ないと考えます。
日本のスタイルとわざわざ書いた理由としては、ご存知の通り海外ではビデオアシストが別スタッフだったり、そもそもカメラに音を送るという文化がない(カメラマイクさえつけない)ことが多い=音貼りが後処理の仕事もしくはちゃんとその時間が与えられる、という違いがあるからで、日本は日本独自のやり方を形成していく必要があるわけです。
そういう都合で考えた時に、
「各所(監督やクライアントの耳 / 現場オフライン / リモート先 / QTAKE)にちゃんと音も届ける」
ということを撮影部でも録音部でもなくDITが管理するという意味では、
「今日はカメラ本線は有線です」
「カメラはステディカムなので録音部の方でカメラにワイヤレスで音を送る機材を用意してください」
「ベースには有線で音をください。録音部で収録しているWAVは午前と午後の各一回こちらにください」
という指示はDITマターで良いと考えます。