先日Pomfortからデータマネジメントソフト[Silverstack LAB]の最新バージョン[8.1]がリリースされました。
いくつかの機能追加、パフォーマンス向上がされた様ですが、トランスコード・プロセッシングが改善され、変換スピードが向上したとの事でした。丁度[RED CODE RAW(GEMINI 5kHD)]と[ARRIRAW(2.8k/mxf)]が手元にあったので検証してみました。
使用ハードウエア:iMac 27inch
CPU:3.6GHz 10コア Intel Core i9
GPU:AMD Radeon Pro 5700XT 16GB
メモリ:64GB
検証方法:
「オフライン用メディア(1920 x 1080 DNxHD SQ 145)・プレビュー用メディア(1920 x 1080 ProRes422)を同時に変換・書き出し」作業を想定。
そのスピードをSilverstack LAB ver.[8.0.6]とver.[8.1]で比較。
[8.0.6]
・R3D to DNxHD & ProRes:55fps
・ARRIRAW to DNxHD & ProRes:140fps
[8.1]
・R3D to DNxHD & ProRes:50fps
・ARRIRAW to DNxHD & ProRes:270fps
今回のアップデートで[ARRI][RED][Blackmagic RAW][Canon CRM][AVID DNx]のSDKが更新された様です。今回のアップデートにおける[パフォーマンス向上]は[Apple Silicon]に対してのものが多い感じですが、[ARRIRAW]については[Intel][Apple Silicon]のどちらでもdecodingパフォーマンスの向上が見られる様です。尚、ARRIRAWのdecodingレゾリューションが[FULLのみ]になり、[1/2・1/4]は選択できなくなりました。
[RED CODE RAW]については[Apple Siliconでのdecodingパフォーマンス向上]らしく、自身のハードウエアではその恩恵を確認できませんでした。
[Silverstack LAB]ユーザーで[Apple Silicon]ハードウエアをお使いの方、[RED CODE RAW]使用時のトランスコードパフォーマンスがどんな感じか、情報お待ちしてます!
Pomfortより[Silverstack 8.2.1]がリリースされました。
以前書かせていただいた[8.1]から[REDのRAW SDKの更新]をはじめ、細かい変更・バグフィックスもあった様なので再びトランスコードの検証を行うことにしました。
ただ今回は[ソフトウエアの新旧比較]ではなく、Silverstack 8.2.1を使用した[iMac27インチとMacStudioの性能比較]をしてみようかと思います。
暫しお付き合いの程を。
使用ハードウエア仕様
・MacStudio Apple M1 Ultra
20コアCPU 64コアGPU 32コアNeural Engine
128GBユニファイドメモリー
Mac OS 12.3.1
・iMac 27inch 3.6GHz 10コア Intel Core i9
AMD Radeon Pro 5700XT 16GB
64GBメモリー
Mac OS 11.6.4
使用ソフトウエア Pomfort Silverstack LAB 8.2.1
検証方法
・前回と同様「オフライン用メディア(1920 x 1080 DNxHD SQ 145)・プレビュー用メディア(1920 x 1080 ProRes422)を同時に変換・書き出し」作業を想定。
その際の書き出しスピード(fps)をそれぞれのハードウエアで比較
*オリジナルデータ:RED GEMINI R3D(5kHD RC5:1・8:1)
ARRI ALEXAmini 2.8k RAW
*オリジナルデータは[Mac本体SSD]に配置
DNxHD/ProRes422は[外付けSSD]に直接書き出し
*オリジナルデータに対し[3D LUT]を付加しDNxHD/ProRes422を作成
*変換の際のdecoding resolutionは[RED:1/2][ARRI:FULL]
*Silverstack LABにおける[書き出しスピード(fps)]は[DNxHDとProRes、両方の書き出しスピードを加算したもの(合計値)]で表記
検証結果
[iMac27inch]
・R3D to DNxHD&ProRes:50fps前後
・ARRIRAW to DNxHD&ProRes:170fps前後
*以前の投稿で[ARRIRAW to DNxHD&ProRes:270fps]と書きましたが、今回の検証ではそのスピードは出ませんでした。
又、iMac内部の温度が上がるとトランスコードのスピードが一気に落ちます。
今回の検証でも100fps近くまでスピードが落ちる現象が見られました。
[MacStudio]
・R3D to DNxHD&ProRes:60〜80fps前後
・ARRIRAW to DNxHD&ProRes:150〜160fps前後
*R3Dについて、若干のパフォーマンス向上が見られました。またiMacではあまり差が出なかった[RED CODE(圧縮比)の違い]によるトランスコードスピードの変動が見られました。
尚、トランスコードとは関係ないのですが[SilverstackのビューワーでのRED R3Dファイルのプレイバック・パフォーマンス]が少し良くなりました。ただし、[preferences]-[Format]項目内の[Use GPU decoding if available]のチェックを[外さないと]スムーズなプレイバックができませんでした。
ARRIRAWからのトランスコードは、iMacのそれと比較するとほぼ同等か少し劣る印象ですが、iMacに見られた[熱によるトランスコードスピードの低下]は確認できませんでした。
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MacStudioおよびiMac27inchでSilverstack LABを使用する分には、さほど大きな差を感じませんでした。ただ[DaVinciResolve]を使用してトランスコードスピードの検証を行うと、Silverstack LABを使用した検証とはまた違う結果が出ました。
使用ソフトウエア BMD DaVinciResolve 17.4.6
*[検証方法]の条件は先と同じ
*変換の際のDecode Qualityは[RED:Half good][ARRI:FULL res-resolve]
*DaVinciResolveのDeliverページにおける[書き出しスピード(fps)]は[DNxHDとProRes、それぞれ個々の書き出しスピード(平均値?)]で表記
検証結果
[iMac27inch]
・R3D to DNxHD&ProRes:30- fps前後
・ARRIRAW to DNxHD&ProRes:130fps前後
*R3Dのトランスコードスピードは[30fpsに少し届かない]感じのスピード感
*ARRIRAWのトランスコード時、[熱によるトランスコードスピードの低下]が少しあり
[MacStudio]
・R3D to DNxHD&ProRes:30+ fps前後
・ARRIRAW to DNxHD&ProRes:200〜210fps前後
*R3Dのトランスコードスピードは[30fpsを少し越える]感じのスピード感
RED R3Dのトランスコードについては大きな差はでませんでしたが、ARRIRAWについては大きな差となって現れました。
[MacStudio]と[DaVinciResolve]の組み合わせについては、トランスコードもさることながら[Colorページ]のグレーディングのパフォーマンスがかなり良くなった印象です。
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今回も手元にRED R3DとARRIRAWしかなかったので、検証としてはちょっと偏ったものになってしまいましたが、何かの参考にでもしていただければ幸いです。
今度はSony X-OCNで検証してみたいですね。
#PomfortSilverstackLAB
#AppleMacStudio